皇位継承問題2

 微妙にレスもらえて嬉しかったり。文章量多くなるんでひとまずレス中心で場を繋いでみる。


>>佐藤司さん
 皇室外交なんかは確かに欧州諸国だけでなく、タイなどの欧州以外の君主制国家にも有効な外交手段として機能してるわなあ。国内的にもスポーツ振興や福祉の分野なんかで、各種組織の名誉総裁に皇族が就いてバックアップしたりしてるし。昔からのサッカーファンなんかは、故高円宮殿下の薨去に相当ショックを受けたって話も聞いたり。
 ただまー、欧州の王族における血縁関係なんかは、日本の天皇家と安易に比較はできんと思うけど。欧州の王室って、歴史を遡るとローマ教皇の影響下における封建領主的なものが出発点となって、次第に絶対君主・近代国家として発展していった訳で。その意味では、むしろ天皇・幕府の影響下における大名みたいなものとも言えるんじゃないかな。婚姻・養子縁組やら人質やら同君連合やら、お互い通じるものがあるし。


>>Saekiさん
 実のところ、天皇って歴史上、絶対権力者であった期間はそうでなかった期間より短かかったりするんだよね。平安時代には摂関政治なって、その後は鎌倉幕府室町幕府、戦国群雄、江戸幕府武家政治が中心だったし。明治維新以降も、実際に国政を動かしていたのは元勲、重臣会議なんかの面々だし。まあ、そういうある種の「君臨すれども統治せず」的な世俗権力と天皇の分離があったからこそ、天皇という存在が今まで続いてきた、あるいは日本という国が一定のまとまりを持って続いてきたと言えないこともないかな。


 レスだけじゃ何なんで、司さんが出してくれた外交面のネタに絡めて。日本国天皇に対する外国での扱いってのは、日本人が思っている以上に丁重だったりする。というのも、天皇制は王朝としては世界最古(しかも他とは割と段違い)の歴史を誇っていたり、現在世界で唯一、一般的に皇帝と称される存在だったりする。で、外交ではこうした格式や称号なんかが(あくまで形式・慣習としてだが)考慮されるケースが多い。
 いくつか例を挙げると、外交儀礼上の序列は、皇帝・女帝・ローマ教皇>王・女王>大統領>首相とされていたりする。これはどういう意味かというと、席次を決める際に英国女王が日本国天皇に上座を譲ったり、という形になる。あと、これはソースが確認できない伝聞情報だけど、米国大統領が最敬礼であるホワイト・タイで出迎えるのは、ローマ教皇・英国女王・日本国天皇の3人だけ、という話もあったりする。
 まあ、そんなこんなで割と天皇って存在は日本の国益にかなう存在だったりするんだね、というお話。