何か昨日は総選挙と言いつつ郵政問題で終始してしまったので、きちんと選挙の話を書いてみる。


 私は今回の総選挙では選挙区(埼玉6区)・比例区(北関東ブロック)共に自民党へ入れるつもりだ。従来埼玉6区は公明党が候補を立てていた。公明党に関しては創価学会が支持母体ということで、政教分離などの観点から根本的に支持できない政党だったので、衆院の選挙区で与党候補に投票したことはまだ1度も無かったりする。
 私の政治に対するスタンスは基本的に中道右派だと思っている。と言っても、日本的な保革の対立軸ではなく、欧米の保守・リベラルの対立軸においてのものだ。いわゆる自由主義・小さな政府といった主張に代表される層である。日本における保守政党である自民党護送船団方式大きな政府といった欧米においては左派的とされる政策を取っており、また一時期私自身中道左派、いわゆる「第三の道」を志向していたこともあって、非自民のスタンスであった頃もあった。
 そういうことで以前は民主党行財政改革などにおいて期待をしていた頃もあり、選挙でも比較的投票していたのだが、昨今はもう幻滅しつつあるのが正直なところだ。その理由は、結局民主党の政治スタンスが政権奪取を目的とした「反自民」に過ぎないことが遅まきながら痛感させられたことにある。郵政問題1つ取ってみても、民主党はこれまでマニフェストで郵政改革を掲げておきながら、肝心の国会では対案も出さずに自民党内の反改革派を支援するような形で反対の姿勢を取った。
 大多数の国民にとって、国会というのはどこが政権を握っているかではなく、どういった法案を成立させるのかが重要なはずである。だがしかし、民主党は郵政改革を頓挫させてでも、この問題を政局化させることで政権奪取の足がかりにしようとしたのだ。「何が何でも民主党」「自民党だけは嫌い」と思っている人にとってはそれでも良いのだろう。だが、本来求められる議会政治というものは、個々の問題を是々非々で議論し、時には対案を出し、必要であれば与党が野党案を呑んだり、野党が与党案に賛成することがあって当然なのである。これをせずに野党だから与党案にはひたすら反対、では55年体制時の社会党と何も変わらないではないだろうか。例えそれが利権に絡んだものであったとしても、己の主張を通して反対した自民党の造反者の方がまだ理解できると言うものである。


 小泉純一郎がいいとは言わない。自民党支持とも思ってはいない。だが、こんな体たらくでしかも相変わらず寄り合い所帯で憲法などの重要問題は党内議論を避けるような姿勢を見せている民主党には、到底政権担当能力があるとは思えない。無論、政権選択が選挙によってできることは必要だとは思う。だが、現在の民主党には選択肢に入るだけの資格が無い。最近の選挙での躍進で些か調子に乗っているフシも見受けられるので、私は今回は自民党に投票しようという結論になったわけだ。