コードギアス22話感想

 何か書かずにはいられなくなったので久々に。ネタバレ全開でかつ、見ていること前提で書いてます。


 いやあ、まさかああいう形で来るとは。てっきり、ルルーシュがダールトン辺りの指揮官クラスにギアスをかけて、似たようなことをさせようとする一方で、シュナイゼルがゼロや日本人の不満分子を一網打尽にするために、あえてユフィの特区構想を容認した、って流れで、結果ブリタニア自らが特区構想を潰す形になるのかと思ってたのに。


 冷静に考えてみれば、黒の騎士団がブリタニアに対して抵抗活動を続けるためには、ブリタニアが裏切る形で特区構想が頓挫することが絶対条件。そういう意味では、構想の発案者であるユーフェミア自身の手で、日本人の虐殺という最もセンセーショナルな形で、この特区構想が潰えたのは、黒の騎士団にとっては最高の結果だったということになるのだろう。転じて、ルルーシュ個人に目をやってみれば、ユーフェミアを陥れるのではなく、手を取り合って「ナナリーの居場所を作る」ことを目指そうと決心したにも関わらず、と考えれば、まさに最悪の結果になってしまったといえる。組織にとって最高の結果を、個人にとって最悪の結果を、矛盾させることなく両立して導き出した上で、しかもその葛藤をルルーシュは誰にも吐露することができないというのは、これ以上ない悲劇とも言える。実に良く出来ていると感心した。


 ことここに至っては、最早ユフィが生き残るという選択肢は、恐らく無いだろう。G-1の中でも日本人を殺しに行こうとした行動を鑑みるに、まず間違いなく日本人が絶滅するまで、ユフィはギアスが解けることなく、殺戮を続けることになってしまうだろう。もしギアスが解けたとしても、意に反してとはいえ、自分自身の犯した罪に、果たして耐えられるだろうか。となれば、最早ユフィは殺されるしかないのだろう。
 個人的に思う、最もドラマチックな決着の付き方としては。スザクがルルーシュに先んじてユフィを見つけるも、スザク自身が日本人であるために、ユフィの凶弾に襲われる。そこで、スザクにかけられた「生きろ」というギアスが発動し、結果スザクが自らの手でユフィを殺めてしまう。そこに遅れて駆けつけたルルーシュは、スザクがギアスの効果中の行為で記憶がないことを利用し、ユフィを殺害した罪を全て自らで背負い込む。かくして、ゼロとスザクは決定的な決別を迎える、といったところか。更にゼロ=ルルーシュであること、ユフィの乱心がルルーシュによるものであることがスザクに露呈すれば、ルルーシュに対しても、決定的な憎悪を抱くことになるだろう。そして、ユフィを殺した実際の人物はスザクであること、そのきっかけもまたルルーシュであること、という爆弾も残る。……救われないよなあ。


 それから一つ思ったことだが、ブリタニアの裏切りという形で特区構想を頓挫させるという目的を、意図せずして肉親を失い、重大なトラウマを抱える形で達成することになってしまったルルーシュの境遇は、降伏によって戦争を回避するという目的を、同じような形で達成してしまうことになった幼少時代のスザクと、奇妙に一致するというのは私の勘繰り過ぎだろうか。


 あれやこれやとつらつら書いてはみたものの、余りに辛く、余りに救いの無い展開で、正直ショックが大きい。きっと、今後過去の話を見返したら、もうやるせなさ抜きでユフィの出ている場面を見ることはできないだろう。
 ……うあああああ、ユフィー! うううう……、キツいよ……。ギアスがかかりきるまでの少しの間、苦痛に顔を歪めるユフィが頭にこびり付いてる……。