SRCにおけるMIDIに関する所見

 最近サウンドパックにおいて、地味にMP3収録を推進しているワタクシですが。これについては版権BGMの高音質化以上に、版権シナリオにおけるBGM環境の先行きに強い懸念を持っているからであったりします。

 従来SRCにおいては、MIDIの再生に関してMIDIポートの選択を行うことで、ヤマハS-YXG50といった無料で高音質のソフト音源を使うことができました。

 しかし近年、OSにおけるMIDIの置かれた状況は悪化の一途を辿っています。私は現在、Windows 7の64bit版を使っていますが、Windows Vista以降のOSでは、まずMIDIポートの選択がデフォルトのままでは出来ません(Putzlowitschs Vista-MIDIMapperというアプリケーションを導入すれば解決できますが)。また、S-YXG50といったソフト音源の多くが、64bit OSをサポートしていません(こちらもTiMidity++などでればインストールはできます)。更に、DirectMusicもまた、私の環境では利用することができなかったりします(他のOSや32bit版の場合などは詳しく調べていません)。このため、現在主流化しつつあるOS環境においては、MIDIの再生においてはある程度の知識と労力(もしくはコスト)をかけないと、デフォルトのMicrosft GS Wavetable Synthでしか再生できないという状況になっています。

 昨今のMIDI再生環境の動向を見ていると、今後もOSにおけるMIDIのサポート状況は、あまり楽観的に考えることは出来ません。このままでは、SRCにおける版権BGMの再生環境は、どんどん悪化していく一方でしょう。この状況を変えるには、上で述べたような問題を解決できるMP3を、版権BGMにおいてもスタンダードにしていく必要がある、私はそう考えています。

 勿論、MIDIファイルそのものを切り捨てるつもりはありません。現在使われているOSとして、依然としてXPは大きなシェアを持っており、XPユーザーにおいては、64bit版XPを使っている極一部の珍し物好き(私がそうでした)を除いて、むしろMIDIの方が容量的にもメリットが大きいでしょう。ただ一方で、Windows Vista以降のOSを搭載した、比較的新しいPCを使っているユーザーであれば、容量問題などのMP3のデメリットは、相対的に小さくなっているとも思います。

 正直具体的な方法についてはまだ思案中な部分はありますが、MIDIを音質面で一定の水準をクリアした形でMP3へ変換することが、必ずしもMIDI作者の方々にとって一般的であるとは言えないようなので、少なくともGS・XGの両音源に対応できる形で、GSCの側で変換できる体制を整えるのも、一つの手かな、と考えていたりします。