連合艦隊による戦闘におけるあきつ丸と航空戦艦運用の考察

 さて、ここまでE-4のルート制御におけるあきつ丸運用の優位性を解説しましたが、その後E-5での検証も踏まえて更に連合艦隊による機動部隊の拡張的な運用について書いてみたいと思います。

 連合艦隊システムにおける機動部隊の第一艦隊は、空母系艦娘4隻と非空母系艦娘2隻によって編成します。このため、通常は正規空母4隻の装備構成によって制空値や索敵、攻撃などの割り振りを考え、残り2枠は戦艦を組み込んでる提督方がほとんどかと思います。しかし、例外的に航空戦力を運用できるにも関わらず、空母枠4隻の制限を超えて組み込むことが可能な艦娘が2種類の艦娘います。そのうち一つは昨日解説した揚陸艦(現状はあきつ丸のみ)で、もう一つは航空戦艦や航空巡洋艦などの水上爆撃機運用艦です。

 あきつ丸のスロット数や航空戦艦の普段を見ていると、航空戦力と言っても……と思われるかもしれません。しかし侮る無かれ、あきつ丸は烈風2積みで赤城最大スロの烈風と同等、烈風3積みではなんと加賀最大スロの烈風改を凌ぐ制空値を発揮するようになります。一方の水上爆撃機運用艦は、例えば伊勢型は無印瑞雲の4積みで蒼龍改二の最小スロットに烈風を積んだ場合と同等と控えめですが、こちらは開幕爆撃、偵察機の役割もこなすマルチロール機のため、正規空母のスロット運用に非常に大きな柔軟性を与えることになります。制空戦闘はできませんし、揃えるハードルは高いですが、晴嵐ガン積みなどになると馬鹿にならない開幕爆撃力を叩き出すようになります。

 このように非空母系の航空運用艦を動員すると、通常の空母4隻による運用を大幅に超えた航空機運用が可能となります。例えば制空特化の場合、正規空母偵察機2隊、艦攻もしくは艦爆を第二スロットに1隊ずつ搭載した状態で、あきつ丸に烈風、伊勢型に瑞雲をガン積みすることで、脅威の制空値600オーバーを記録します。これはE-5ボスの空母棲姫相手に楽々制空権を確保できる数値です(ただし最終形態では優勢止まりでした)。ここまで極端なことをしなくとも、航空戦艦が運用する水上機の分空母の偵察機を削減して副砲や整備員、命中ボーナスのある艦載機を積んで砲撃戦での火力を増加したり、烈風を積みがちな最大スロットに艦攻を搭載することで開幕爆撃の確実性を高めることもできます。

 あきつ丸や航空戦艦を入れることと引き換えに失われる戦艦2隻の火力をどう見るかですが、第一艦隊の戦艦は航空戦のみのマスでは現状置物であり、またボスなどの砲撃戦が発生するマスでも夜戦には突入できないなど、戦艦として万全の性能を発揮しているとは言いづらい部分があります。実際にE-5を最初から最後まで私はこの編成で攻略しましたが、道中撤退は夜戦での大破一度のみ、索敵が十分だったせいもあってかお仕置き部屋はゼロで、決戦支援も最後のみで比較的楽に突破できました。

 そして個人的に連合艦隊時における航空艦6隻運用の最大の強みは、大淀改の持ってくる艦隊司令部施設を、制空や索敵のシビアな見積もりをせずに搭載することができるということです。通常の空母4戦2編成の場合は空母の偵察機スロットや第二艦隊も含む非空母艦の索敵兵装スロットなどを削るなどして搭載しなくてはなりません。しかし航空艦6隻運用の場合、偵察機の運用数は余裕があるため二航戦の最小スロットに適当に搭載したり、あるいは一航戦五航戦での空母編成の場合は空母のスロットより個別のスロットが小さいあきつ丸(艦隊司令部施設は揚陸艦も搭載可)に搭載することもできます。この艦隊司令部施設は夜戦マスなどでの第二艦隊の大破撤退可能性を極小化することができ、トドメの際は決定力不足が起きる可能性はあるものの、削りの段階では出撃自体が無駄に終わることを避けるのに非常に有用となります。

 このあきつ丸への艦隊司令部施設の搭載は、第二次大戦後に艦隊の司令部機能が肥大化し、揚陸艦が旗艦の任を担うようになった史実の流れにも合致するもので、なかなかに面白い機能だと思っています。航空戦艦の水上爆撃機ガン積みも、航空戦艦の時代を感じさせます。何より空母機動部隊は航空戦力運用艦のみを集中運用するという戦術の徹底という意味合いもあります。

 提督の皆さんがたも、是非一度航空艦6隻構成での連合艦隊戦闘を試してみてはいかがでしょうか。下にその戦闘時の画像を貼りますが、理屈抜きで浪漫を感じることは保証しますよ?(笑)